《期待値》

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僕が本気でパチンコやパチスロを辞めようと思ったのは去年の八月だった。

徐々に借金が増えてきて苦しい経済状況なのに、パチンコで経済状況を好転させようとして色んな店舗のデータを集め研究して期待値を積もうと頑張っていた。

パチンコで本当に期待値を積んで勝っていくためには相当な労力がいる。相当な試行回数をこなさなければならない。

まず、なかなか打てる台が見つからなくてイライラしてくる。打てる台があったとしてもプラス100枚とか150枚程度の連チャンで終わってしまうことが多い。

だんだんストレスが溜まってきて、我慢が効かなくなる。そのうち期待値のことなんか忘れて適当な台に座って乱れ打ちが始まる。

こうなったら最後。糸の切れた凧のようにお札はサンドに飲み込まれる。

収支をプラスにしようとして研究して立ち回った結果、ストレスが溜まり乱れ打って大負けする。このパターンは本当によくあった。

所詮中毒者は、勝ちたいよりも打ちたいという感情に負けてしまって勝ち抜けることなどできない。たとえその日は何とか我慢して勝ち逃げできたとしてもいずれは打ち込んで負ける。これは確実な話だ。

パチンコでお小遣いを稼ぐことはできない。短い期間なら可能かもしれないが長い目で見たら結局は養分にされてしまう。パチンコという産業はそういう構造になっている。

特に最近はお客のレベルも高く、みんなが期待値を積もうと割りのいい台に群がっている。

競争が激しい割に、たいして出ない。

これが現代のスロット事情だ。みんな十分わかっているはずだ。

人は何のためにパチンコやスロットを打つのか?

勝つためだ。勝たなきゃ面白くない。

僕は勝てないからやめた。シンプルなことだ。

このままやめ続けよう。

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